こういうときはあえて(寝る。チキンスープを作る。などの)風邪っぽい行動をとらず、何気なくactiveにenergeticに生活していれば体がだまされて本格的な風邪になどならないものである。多分。
今風邪ひいたら、いろんな人に迷惑がかかるなぁ。。。
だからモダンタイムスに行ってビールでも飲もう。
はい。前エントリーでさんざんテクノをあげておいたわりには、今日はヒップホップの名盤の紹介です。

Pete Rock & C.L. Smooth "Mecca and the Soul Brother" (1992)
です。
うーーーん。ジャケからして格好良すぎですね。
これは知る人ぞ知る、「ジャズ・ヒップホップ(not ジャジー・ヒップホップ!!)」のあり方を決定づけた超名盤でして、まさにクラシックと呼ぶにふさわしい作品です!
17年も前にもうこんなかっこ良い音楽が出来ていたというのが驚きです。ジャジーとかメロウとかいう言葉は今でこそ流行ですが、正しく「ジャズ」というものを取り入れたスタイルはこの時代のNY産ならではです。ヒップホップの世界がぐっと広がる一枚です。
NYのヒップホップは、サンプリングの時代がやってきた後、88年頃にはファンキー一色になります。また、88年にはカリフォルニアからNWAの『Straight Outta Compton』も登場、ウェストコーストのファンク・スタイルが全米に広まり始めてもいました。さらにこの80年代〜90年代初頭は大ダンス・ブームが巻き起こっていた時でもあります。そんななか、自分たちの出番を窺っていた新たな世代の面々が、ファンキーでアッパーなものに代わる「俺たちのスタイル」のよりどころとしたのが「ジャズ」でした。
NYはジャズの街です。NasやDJプレミアの親がジャズの演奏家であることからも窺えるように、ニューヨーカーにとってはジャズは身近なもの(らしい?)。そして90年前後は、ピート・ロックらがネタ使いしたジャズ・ファンク、クロスオーヴァーもののレコードが安かったのです。この作品でも、1ドル以下で手に入れたというフレディ・ハバードの『Polar AC』が使われているというのは有名な逸話です。
しかし「100円のレコードが、最高のビートに生まれ変わる」というのも、ヒップホップ的な価値観ではカッチョよいことなのです。こうして新たな世代は「ジャズのクール」を武器に、ファンキーな先輩たちを押しのけて世代交代を果たしていきます。
で、なぜこの"Mecca and the Soul Brother" がジャズ・ヒップホップの指標となったのかを考えてみます。
ピート・ロックは最初、Untouchablesという職人プロデューサー集団の一員でした。それもあって彼のビートは、よく整理された機能的なものになっていったのだと思います。で、その特性は自らのユニットの1stアルバムである本作で全面的に発揮されたわけですが、ジャズの要素を「ホーンのトバし」に代表されるようにシステマティックに表した本作のビートは、一言でいうとマネしやすいものだったのでしょう。同時代にいたジャズ系トラックメイカーとしてはDJ PremierやQ Tipがいますが、彼らが聴かせた「ジャズ」はきわめて複雑で高尚で(それでもかっこいいんだけど)、誰にでもマネできるものではなかったのだと思われます。
それに対し、実はこの作品はリリース当時イージーリスニングだとコンサバなリスナーに揶揄されもしたほど、誰の耳にもジャジーに響くわかりやすいものだったのです。
もちろんヒップホップ・ミュージックはパーティーから生まれた音楽ですが、僕にとっては同時にお洒落でリラクシンな音楽でもあります。ほとんどのブラックミュージック愛好家の方も同様の受け取り方をしているのではないでしょうか。
ただ現在は「ジャジー」という言葉だけが一人歩きした結果、ジャズ・ヒップホップの流儀といったものが曖昧になり、スカイ・ハイ・サウンドにEW&Fやメロウ・フュージョンなどをサンプリングした曲までもがジャジー・ヒップホップのカテゴリに括られるようになってきています。
原点に立ち返れば、ジャズとヒップホップのおいしい関係はそんなものではなかったはずなのです。それはこれを聴けばわかる。
ヒップホップにおけるメロウネスブームの源流となり、同時に最高傑作でもあるこのアルバム、ブラック・ミュージックプロパーの観照者ならずとも必聴です!
モダンタイムス行こ。
0 件のコメント:
コメントを投稿