2010年10月10日日曜日

Dear Natsuko,

"科学革命に必要なのは、老人の死である。”

-トーマス・クーン『科学革命の構造』


“戸田奈津子はもはや一個の人間ではなく、組織化された「コーポレイト・ナツコ」だ。だから、いま戸田本人が死んだとしても、字幕業界が改善されるわけではない。”

- 匿名の映画愛好家





戸田奈津子はいろんなところで叩かれているが、まあわたしもあまり好きではない一人だ。

そんなにバシバシ映画を見る人間でなくてもちょいちょい気がつくくらい誤訳が多すぎるというのがもちろんその第一の理由だ。

ところが最近は、プレミアなどで来日したハリウッド俳優がバラエティ番組に出演するときに、同時通訳として戸田奈津子氏が動員されているのをよく見かけるようになった。(テレビっ子)
そしてここでも彼女は、独特の意訳(≒誤訳)をしてるんだ。
しかも時に身振りを交えて、テンション高く。
というか、あまり英語自体お上手ではないような・・・(?)

まあ逐次通訳プロパーではないんだし、ネームバリューゆえに番組に呼ばれたんだろうからあまりせめても仕方ない。
それに日本のバラエティ番組の独特のスピード感の中で逐次訳を行うのは至難の業だろう。
しかし通訳というのは正確かつクールであってなんぼだし、発話に対して自分の勝手な解釈を盛り込んだり、身振りなど交えて話すのはもってのほかである。
通訳は第三者に対して限りなく存在を感じさせない、透明なメディアであるのが理想だと思う。


もちろん、彼女は日本の洋画字幕業界を作り上げていったパイオニアだし、そのことには敬意を払わなければならないだろう。
しかし彼女の独特のスタイルが寡占状態となった結果、一種の技術的なスタックインが起きて(cf. QWERT配列)、業界全体が「なつこ式」以上にテクニカル面において向上しなくなっているのではないだろうか。

ニコニコの字幕職人のほうが、よほど「う〜〜ん」と唸るような素晴らしい字幕をつけていることもしばしば。

さらに私は、時にはオリジナルをも越えて、まったく新しいキャラクターの世界を作り上げてしまう個性派吹き替え声優陣に、より好感を抱く。


ところで誤訳といえば、クソ訳で有名なT・クーソの『科学革命の構造』(みすず)だが、悪名高き某N山先生がお亡くなりになったら、S々木先生が訳しなおして重版するという噂が最近わたしの周辺できかれるようになった。

問題は、N山御大がまだまだ生きながらえそうなことなのだが・・・

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