オフィシャル・プレッピー・ハンドブック True Prep
なかなか面白かった。
俗にpreppyと呼ばれる一群の人々のカルチャーを総合的に紹介した本で、「SATC」や「OC」、「ゴシップガール」などの人気によってpreppyなライフスタイルが我が国でも注目を集める中、読んでおもろいと感じる人たちは結構いるのではないだろうかー。
何が良いってまず装丁がかわええ
プレッピーという言葉は一般に日本では、米国東海岸のアイビーリーグに属する一流大学(ハーバード、Uペン、コーネル、ブラウン、ダートマス、イェール、プリンストン、コロンビア)に進学するための一流私立高校(=プレップスクール)に通う金持ち子女たちの服飾スタイルを指して使われることが多い。
つまり簡単にいうとアメリカのエエトコの坊ちゃん/嬢ちゃんスタイルという位置づけで、王道アメトラをカジュアルダウンした云々〜という説明はもう要らないだろう。
しかし本国においては、どうやらpreppyという単語が指す範囲はもっと広く、そうしたプレップスクールのバカ高な学費を払うことのできる富裕層(貴族の子孫や銀行/大企業の重役、実業家、ユダヤ人など・・・)の生きざま全般、また、その人たち自身を表す言葉のようだ。
したがって大人でもプレッピー文化圏の人はプレッピーなのであり、彼らのプレップネスも、通っていた学校や服装だけに留まらず、住居、食事、使用人の雇用、パーティ、ペット飼育、慈善活動、教養、トークスキル、立ち振る舞いなど、あらゆる生活シーンに現れる。
この本もそうしたプレップ性なるものの全般を紹介する構成となっています。
時を遡ること1980年、この本の前編という位置づけの「The Official Preppy Handbook」が同じ著者のリサ・バーンバック氏によって世に問われ、一大プレッピーブームが巻き起こったらしい。
しかしそのリアクションは著者の意図したものでは無かった。でも、そのシリアスな受け取られ方は、作者たちの苦笑を呼ぶものでした。だって、このアップデイト版を読めば分かると思うのですが、ねえ? これは大した歴史を持たない人々が伝統様式にこだわる様をちょっと小馬鹿にしたジョーク・ブックだったのですから。 (まえがきより)
つまり本書は、冗談で書いた前作への熱狂的なリアクションに対する「お前らマジかwwwww」という 筆者なりの応答であり、当然随所にピリリと皮肉が効いた、wittyな内容になっております。
もうこの予告編を見ただけで、ウマいこと言いたがりなオッサン(Chip Kidd、共著者)とオバチャンが書いたフザけた本なんだなとわかると思います。↓
全体を通じて印象に残ったのは、やはりプレッピーがプロテスタント的な清貧の精神と不可分だということです。
なんやかや上流階級の文化なのですが、いわゆる成金趣味とは違い、無駄使いを避け、良いものを手入れしながら長く使う、古くて歴史あるものを良しとする哲学が根底にあるのですね。
したがってくたびれた綿パンや洗いざらしのボタンダウンなどは極めてプレップ的アイテムということになります。
「Take Ivy」においても、普段は綿100の服を糊を効かせずにラクに着ているアイビーリーガーたちが、日曜の礼拝のときだけジャケットにタイドアップするという様子がおさめられていますが、やはりアメトラはプロテスタント的価値観と深い部分で結びついているのでしょうな。
既製服を基本とし、流行に左右されない定番を長ーーーーく着回す(履き回す)スタイルは、イタリアやフランスなどカトリック国のモーダルな服飾道とは大きく違います。
ただし、もちろんケチケチしているわけではなく、慈善活動、文化や教養、教育に対する投資は惜しまない。公正や博愛を大切にしているわけですね!
我らがトム・ブラウン御大も登場してる(115p)。
左側にいる黒人のおっさんは、Brooks Brothersのブランドムックにも出てたシャツ屋だな。







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