『オープン&クローズ戦略 日本企業再興の条件』(小川紘一2014)
東大政策ビジョンセンター小川先生の著書。
簡便に言えば、
特に、単なる技術R&Dだけでなく、知財戦略に配慮した「
この「オープン&クローズ戦略」とは、
さて、20世紀の製造業の変化は大きく3つの側面に分類される。
①テクノロジーの進展
②生産システムの変化
③市場の変化
である。
まず①テクノロジーとして何が変わったか については、
この結果、ものづくりのデジタル化(
現代のものづくりにおいて、情報と物質は一体化している。
次に②生産システムの変化についてだが、
ファブレス・デザイン・
そしてハイテク製品の生産拠点がグローバルに拡大した結果、
③市場の変化は最もインパクトが大きい。
端的に言うと市場のグローバル化である。
この後景には国際的なサプライヤー網の発達も横たわっている。
いっぽうで、 販売後のサービスはローカル市場にとどまっていることにも留意し なければならない。
製造業では設計段階に付加価値がシフトしつつあるとはいえ、 Appleはハードウェアだけで利益率50% 以上を実現しているという推計がなされている。 ものとしてどの部分で儲けることができるのか、 どこで価値が出るのか考えたうえで、事業を設計する必要がある。
今後の日本の製造業は、技術的な強みも押さえつつ、 システムとしてどう強くするかが大切なのだろう。 例えばすばらしい高性能材料を作っている企業があっても、 それを買い叩かれないように、価格を守る必要がある。 それをどう守るか、 高付加価値を維持するかといった視点が必要だろう。また、 液晶技術に関しても日本企業は高い技術があるにも関わらず勝ち組 はいないことからもわかるとおり、 技術以外の部分がとても重要だということである。
今後の日本の製造業は、技術的な強みも押さえつつ、
高付加価値を維持する、という視点もだが、 既存技術との組み合わせによってどうやって新技術の応用を進める かといった観点も重要なのでは。 例えば東レの炭素繊維はBoing787で独占使用され話題にな ったが、実際にはB787の前にBMW等、 欧州の自動車メーカーが製品応用を進めていた。
著者の言うとおり、何をオープンにして、何をクローズにするか、 標準化するかについての戦略が重要なのである。
これまでこういった領域は企業の自助努力に任されてきたわけだが 、政策的に誘導する余地はないのだろうか。 そのようなビッグピクチャを描ける人材がいない、 という気もするが。
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